学校の先生だからこそ、生徒の成長を総合的に見守ることができる(Miyuki先生)
帰国子女として英語の先生になる
「Miyuki先生は帰国子女の英語の先生なんですね。いつ頃日本に帰って来たんですか?」
中学3年の3学期という受験直前に帰ってきました。最初は「すべり止め」という言葉の意味が分からないような語彙力でした。日本語を勉強するために辞書を逆引きして勉強したりしていたんです。
ただ同級生から英語の質問をされても文法的な理解が弱かったので「なんとなくwillじゃなくてwouldだよ」程度にしか説明できなかったことがあって、日本語と同時に、英語の勉強も改めてはじめました。
思えばこれが最初の英語を教える経験だったかもしれませんね。
「どんな思いで英語の先生になったんでしょうか?」
ちょうど学習指導要領が変わる時代であったこともあり、グローバル人材についてゼミで学んだり、言語学の授業に関心を持っていました。そういった大学で学んだことを活かしたいという思いは強かったです。
また、実際教育実習では「英語で英語を教える」経験ができて、教える面白みを感じることができて、自分の帰国子女としての背景も活かせそうだなと思ってました。
その後先生になったわけですが、3年くらい経った頃には自分の持っているコンテンツに限界を感じていました。やりつくしたな、と。そこで1年くらい休んでインプットをしようと思ったのですが、なかなか思ったようにはいかず、、、そのときに仕事をしながら通えるTeachers’ Collegeと出会えたのは幸いでした。
やりきった感で満足せず、新たな知識・教授法を求めた
「3年回すことができたら後はそれを効率化していけばいいか、という発想ではなく、より発展させようとなさったんですね。」
そうですね、学校の先生なので受験としての成果、偏差値の向上などは当然求められるのですが、受験以外の英語の側面も伝えたい気持ちが大きかったので、どんどんコンテンツを増やしていきたい気持ちも強かったんだと思います。
最近の教科書は大変よく出来ているので、教科書の内容を教えるだけでも十分効果はあるのですが、さらに「教科書の内容を使って」、行間というか、そのバックグラウンドになっている事柄にまで言及するようにしています。
たとえば南アフリカのマンデラ大統領の話が教科書に載っていたのですが、Youtubeでマンデラ大統領のインタビューを見つけて文字起こしをして共有するなど、勉強ではない部分の情報も伝えたいと思っています。
そういった情報を通勤電車の中でブックマークやアプリを通して探しています、、、遠いので(笑)
学校先生ならではの喜びを感じている
「なるほど。例えば非常勤の英語講師という職種でも、そういった面白みを伝えることは出来ると思うのですが、学校の先生を選び続けている理由は英語以外にもありますか?」
やはり仕事の内訳は英語授業3割、それ以外の7割は生活指導という感じなので、生徒の成長を総合的に見守ることができるという点が、この仕事の楽しいところです。
先輩の先生がおっしゃっていたのですが、先生の役割の多くは生徒の人格形成を助けることにある、という言葉に共感しています。
先生・生徒・親の間で信頼感関係を作りながら授業を行っているので、そうして卒業していった生徒が、たまに文化祭やふとした時に訪れてくれたりするときは、とても嬉しい気持ちになります。
「それはうれしいですね!Miyuki先生は海外経験もあり、かつ英語に精通していると思うのですが、やはり語学力が高いことが役に立っていますか?」
そうですね、そもそも授業はすべて英語で行っていますし、語学研修でカナダにいく際などは同伴者として現地で起きるトラブルを解消するのに英語が役に立っています。
文化の違いでホストファミリーと、悪気はなく揉めてしまった生徒との仲介をすることがスムーズに行えたり、どうしてもトラブルが解消できない場合はエージェントと交渉して新しいホストファミリー先を手配するなど、柔軟に対応することができています。
学校でのお仕事は先生同士の連携も大切なので、英語科の先生方と協力しつつ、これからも先生を続けていきたいと考えています。