英会話講師としてどう取り組む?知っておくべき2020年新「大学入学共通テスト」
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新聞やニュースで既に広がっている、2020年からの新しい大学入試テスト。
特に英語に関しては民間の検定試験の導入が話題となっていますが、あまりピンときていない方も多いのではないでしょうか。
どの検定試験が有利なのか?など様々な不安が出てくると思いますがまずは落ち着いて、これから大学受験にどんな英語力が求められるかを把握してから対策に動きましょう。
検定試験のポイントは4技能のバランス
文科省は今回の新テストで採用する検定試験として、英検やTOEFLなど8種類を候補として挙げています。
現行の大学入試センター試験はマークシート方式で、聞く力と読む力しか測ることが出来ません。
民間の検定試験を活用することで「読む・聞く・話す・書く」の4技能を総合的に図り、英語での思考力、判断力、表現力などを評価することがねらいです。
英語の検定試験として最もよく知られている英検は、ここ数年で大きくリニューアルされ、今年6月からは準2級と3級にもライティングテストを導入し、合格のためには4技能の各分野でバランスよく点数を取ることが必要になりました。各技能ごとに基準点を決め、1つでも基準点を満たさない技能があれば合格できない仕組みになっています。
全体的に合格の難易度が高くなり、特にライティングに関しては文章構成力なども求めれるので、新しい大学入試テストを意識した検定試験であると言えるでしょう。
大学入試のために英検の受験を考えるのであれば、英語の得意なお子様なら準1級以上、ちょっと英語は苦手という方は2級合格を目指してみて下さい。
2021年1月~2013年度までは現行と新テスト併存期間
新テストの開始は2021年1月からですが、2023年度までは現行のマークシート試験を残しつつ大学側は検定試験の導入も可能になります。
この併存期間中は各大学が、現行テストか検定試験どちらか、又は両方の活用が認められます。なので複数の大学を志望する受験生としては各大学の対応に沿って対策しなければなりません。
しかし検定試験に関しては高校3年の4~12月まで、最大2回の受験のチャンスがあります。
このチャンスを上手く使って事前に準備すれば現行テストに向けた勉強との両立も可能です。
例えば、3年生の6月に英検準1級に合格できれば、残りの期間は現行テストの対策に充てることが出来ます。
二次試験の面接だけダメだった、という場合でも一次試験免除制度があるので10月に二次試験だけを受けて合格すれば大学受験に間に合わせることが出来ます。
ただし、準1級は一次・二次いずれも一回での合格は難しいので、高校生のうちに何度もチャレンジして受ける必要があるでしょう。
2024年度からは新テスト全面移行
2024年度からは、現行のマークシートテストは廃止され、新テストに全面移行となります。
現在は小学校での英語学習が進んでいますが、私立や公立、または地域によって小学生の英語力には差があります。また、小さい時から英会話教室に通っていても、コミュニケーションはとれるけれど英語が読めない、書けないというお子様もいます。
そういうお子さんは、学校で読み書きが入ってくる時期になると自信を失って英語嫌いになることも少なくないのです。
英語の4技能は一朝一夕で身につくものではありません。まずは可能な限り英語を聞く・話すための時間と環境を作り、読む力は音読で磨いていきましょう。
書く力を伸ばすには時間がかかりますが、根気強く見守りながら、授業やご家庭でコツコツ始めてみましょう。
既に英語が出来るお子様も、これから英語を習う予定のお子様も、一つの技能に偏らずバランスよく4技能を伸ばすことを意識して英語学習に取り組んでみて下さい。
大学入試がゴールではない
新大学入試テストの大きな変化について書いてきましたが、英語を学ぶ目的は大学入試の為ではありません。英語はその先の将来、もっと広い世界を見るためのひとつのツールです。
しかし、大学全入時代のいま、入学試験は乗り越えなければいけない壁であることは確かです。また、入試は関係ないと思っている社会人の方も、若い世代が英語を武器にしてビジネスをするようになれば、彼らと対等に戦うための語学力を自ら養わなくてはなりません。
多くの方が「今の子は大変だな~」と一言で片付けるのでなく、英会話講師として、親として、社会人として、社会全体でこの新しい入試制度に一緒に向き合ってほしいと願っています。
親子でお料理やスポーツをするのと同じように、子供と一緒に自分も英語を頑張る親御さんが増えれば、子供たちはもっと素直に楽しく英語を学んでいけるのではないでしょうか。