英会話グループレッスンで生徒の発言量が減る問題点への7つの対処法
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グループレッスンでは、マンツーマンレッスンと違い「各生徒の個性や進度、また、グループ全体の雰囲気や生徒同士のかかわりあい方」など、様々な課題にぶつかります。
英会話ビギンで講師をつとめるユキ先生は、大手英会話スクールのイーオンにてグループレッスンを担当した後、フリーランス英会話講師として独立しました。
ユキ先生に、イーオンでのグループレッスン講師時代をふりかえり、そこで出た課題と対策についてお話いただきました。
<問題点> グループレッスンでは1人当たりの発話量が少なくなる
<ユキ先生>
2007年~2009年は英会話スクールイーオンに勤め、その後英語教材販売の仕事を数か月した後、英会話ビギンの講師としてプライベートレッスンを中心にフリーランスの英語講師として働くようになりました。
今回はグループレッスンにおける問題点とその対応策について書きたいと思います。
ここで言うグループレッスンはセミプライベート(講師1人対生徒2人)から生徒数12人のクラスでの指導経験を元にしています。
<問題点> グループレッスンでは1人当たりの発話量が少なくなる。
これは同じ一時間でも人数が増えればそれだけ一人当たりの発話量が少なくなるという単純な割り算の問題だけではなく、「はずかしい」という感情や「遠慮してしまう」という点が大きく上げられます。
グループレッスンの良い点として「楽しい」「他の生徒の発言が参考になる」や「思いつかなかった質問があがる」などありますが、それはグループがある程度仲良くなった後だったり、もともと友達同士での参加である場合が多いです。
大手の英会話学校では毎回クラスメンバーも変わります。
講師養成では「講師の発話量は1-2割・生徒の発話量は8割以上を目指す」といわれましたが、グループが大きくなればなるほど、遠慮や恥ずかしさが邪魔をしてますます難しくなるとかんじました。
しかし生徒同士の距離を近づけることでグループレッスンは話しやすい雰囲気に変わると思います。
<対策法>(1) 生徒同士の距離を近づけるウォームアップ
「お互いに興味をもたせる」ことが目的です。
生徒同士の仲が良いとレッスンが盛り上がる傾向があります。
はじめのウォームアップで、はじめて参加の生徒や遠慮がちな生徒の好きなことやその人について 聞き出します。根掘り葉掘りは要注意ですが、「私」に関して話すことが好きな人は多いです。その時には積極的な生徒にも質問するよう促して参加させます。
<対策法>(2)後半席替えをする
途中でグループワークを入れるなど、少し体を動かしてリラックスしてもらいます。
レッスンの雰囲気が変わる場合もあります。
できるだけ多くの人と会話するきっかけを与えると、学ぶ量もそれだけ増えます。
<対策法>(3)他の講師やパートナーの話をする
講師が複数いる場合や引継ぎの場合にできる方法です。
これは話す内容にも注意です。当たり障りのない内容であれば「その場にいない人の話」で盛り上がることは多いです。
その場にいない生徒の話題は避けた方が無難ですが、共通の知人や同僚である他の講師を話題にすることもありました。
「○○先生は女優の○○がタイプらしい。みなさんは好きなタイプの芸能人はいますか?」など。
これは別のクラスやロビーなどで、その話題になった先生に生徒から話しかけるきっかけにもなります。慣れてくると積極的に配偶者を話題にする生徒も(特に女性)多いです。
<対策法>(4)例文に生徒を登場させる
テキストにある例文よりも、実際にクラスにいる生徒に関する事で例文を作る方が盛り上がります。
生徒によっては自虐的なネタや面白い文章を好む人もいますが、まだ打ち解けないうちは、
“I want (生徒名)to come to the car shop with me because he knows a lot about cars.”のような当たり障りのない、しかもさりげなく褒めている文章が良いかもしれません。
<対策法>(5)盛り上がったゲームを覚えておく
英会話講師はグループレッスンをしたことのある人ならいくつか英語でできるグループゲームをご存じかと思いますが、いまいち盛り上がらないものと盛り上がるものとあるかと思います。
もちろんグループの年齢層や性格でも様々ですが、「このグループではこのゲームがよかった。あのゲームはウケなかった。」というのは覚えておきます。
パーティーではない限りゲームばかりしていると時間があっという間にすぎてしまうので、通常レッスンではやらない場合も多く、やっても1回・2回(5分以内)にとどめます。
<対策法>(6)質問しづらい生徒へのフォローをする
Do you have any questions?だけでなくCome see me after class if you have any questions.を付け加える
全員の前でDo you have any question?と尋ねることの良い点は、一人の疑問がみんなの疑問である可能性があるからです。ただし、質問があるのにクラスの前では発話しにくいと感じる人もいるので、レッスン終了後には「質問があればきてください」という声かけ、もしくはクラスを出る生徒に個人的に声をかけます。
レッスン中は毎回静かだったある生徒は、レッスン終了後「日記を添削してほしい」と積極的に英語に取り組むようになった人もいました。
少し逸れますが、ライティング対策はグループレッスンで難しい課題の一つです。もし時間があれば個別にその場で添削したり、ルーズリーフに書いてもらったものを預かったりします。
<対策法>(7) 家庭学習とグループレッスンの役割を伝える
英語習得のカギはは家庭学習であり、グループレッスンは「発話練習」「度胸付け」「モチベーションキープ」の場所であると伝えます。
プライベートレッスンでももちろんレッスン外での学習量の確保は大事ですが、グループレッスンではもっと大事になります。ひとりひとりへの課題量も少なくなる分、「レッスン外での学習時間を確保すること」「レッスンはアウトプットの場であること」など「レッスンだけでは上達は難しい」ということを伝えます。
もちろん中には「楽しいから通っているだけ」という人もいます。グループレッスンにおいても各生徒の目標やレッスン参加の目的が何かを講師が把握しておくことも大事だと思います。
<まとめ>
グループレッスンで一人一人に積極的に参加してもらうためには色々な方法があるかと思います。
盛り上げ上手な講師もいれば、レクチャー内容がおもしろい講師、おもしろいメソッドを持っているなど、それぞれに違った魅力をもつレッスンができるかと思います。
講師歴1年目、2年目はとにかく「生徒同士を仲良くさせる」→「クラスの雰囲気をよくする」→「発話しやすい環境へ」という方法ひとつ試しました。
他にもグループレッスンでの問題点と対策について様々な講師とシェアできたらと思います。