小学校の先生が外国語活動/英語授業で使える2つの単語ゲーム
メール登録すると、新着の英会話講師や英語を教える仕事の求人情報をいち早く受信できます
小学校での外国語活動の時間は、教科書の進度に合わせて授業を構成しているとやることも多く、なかなかゲームなどの要素が取り入れにくいかもしれません。それでもなんとか「楽しく進めたい!」という担任の先生たちのために、準備の手間も少なく簡単に、あまり時間も取らずにできるゲームを2つご紹介します。筆者がALTとして、授業で何度も使ったゲームです。
小学校では2020年現在、3年生からの外国語活動が始まっています。(一部地域によっては1年生から導入しているところもありますがここでは3年生から6年生を対象としてアクティビティを紹介していきます。)特に3年生は初めての外国語授業となり、先生よりも生徒たちの戸惑いのほうが大きいかもしれません。ゲームは簡潔で説明などに時間をあまり要さないものが適していると言えます。
高学年に関しては、新出単語導入のみならず、外国語授業のWARM UPとして使用してもいいでしょう。高学年は特に、やる気にムラが出てくる年齢なので、授業初めにゲームを行うことでそのあとのレッスンをスムーズに進めることができます。英語ではこれを” Ice breaking” と言います。
(注意)ここで紹介しているのは単語を練習する際に使用できるゲームです。このゲームをする前に、新出単語の復唱練習を最低でも1度は行ってください。ただし、前述の通り高学年クラスのWARM UPで使用する際は、復唱練習は必須ではありません。前回の単語の復習やチャンツの単語を使っても楽しいです。
ビンゴゲーム(使用単語9つ以上)
全国共通、全学年共通で楽しめるのがビンゴゲームです。お楽しみ会などでも一度は遊んだことのあるものではないでしょうか。「みんながルールを知っている」これがこのゲームの一番のいいところです。
準備するもの
担任の準備は9マスの表を用意するだけです。クラスごと、レベルごとに難易度を変えることができるのもこのゲームのいいところです。
ゲーム実施方法
3・4年生にはその日導入したい単語を、絵や日本語または発音のままカタカナでそれぞれ記入させます。あとは先生やALTが適宜選んだ単語を発話していってもいいですし、導入単語をラミネートカードなどにして、それを引いていってもいいですし、生徒たちに順番に好きな単語を発話していってもらってもいいかもしれません。
5・6年生には同様にその日導入したい単語を書かせます。しかしこのとき、5・6年生はWritingの導入も教科書で入ってきているため、クラスレベルによりますが単語を英語で書かせてもいいでしょう。(この場合、担任が用意する9マス表は英単語が書きやすいように4線のものが好ましいです)そのあとは3・4年生と同様に担任かALTが適宜選んだ単語を発話していきます。
ゲーム進行例
大事なのは「ルール説明に時間をかけすぎないこと」です。以下、ゲームの導入例を記載しておきますので、参考にしてください。
(T=Teacher or ALT)
T:Let’s play BINGO GAME!
Please choose 9 WORDS.
(3-4年生)You can write it in HIRAGANA or KATAKANA or DRAW PICTURES.
(5-6年生)Please write it in JAPANESE or ENGLISH.
OK. TIME’S UP! Get your RED PENCIL. Let’s play BINGO. No1 is…..
ゲーム実施のTIPS
・単語を選ばせる際、時間を計って行うこと。
・上記スクリプトで大文字にした部分は強調して言うと分かりやすい。
・担任が見本で記入したBINGO 表を一枚作っておくとなお良い。
キーワードゲーム(使用する単語2つ以上)
まず初めにキーワードとなる単語を一つ選びます。生徒たちはその単語以外は担任またはALTの後に続いて復唱し、キーワードの単語が聞こえたら規定の動作を行います。ルールはこれだけです。担任が準備するものは特にありませんが、生徒に用意してもらうものが規定の動作によって異なるため、下記を参考にしてください。
規定の動作の例
(1)個人もしくは2人ペアになり、消しゴムを一つ用意する。机の真ん中に消しゴムを置き、キーワードが聞こえたら消しゴムを取る。早いもの勝ち。このとき消しゴムではなくおはじきなどでも可。手のひらに収まって取りやすいものが良い。
(2)キーワードが聞こえたらその言葉を表すジェスチャーをする(中学年向け)。ジェスチャーを恥ずかしがるようなクラスや学年には、代わりに立つ・手を挙げるなどの簡単な動作でも可。
ゲーム進行例
ペアで消しゴムを使ってゲームを行う場合の導入例を記載していますので、参考にしてください。
(T=Teacher or ALT/S= Student)
T:Okay, let’s play KEYWORD GAME now!!
At first, make PAIRS and move the desks FACE TO FACE.
You need 1 ERASER for each pair.
(全員が指示に従って机を動かし、消しゴムを用意できたか確認)
Now, let’s choose the KEYWORD. Who is today’s LEADER?
(この時最初のキーワードは担任が決めてもよい)
S://///(どの単語をキーワードにするのか決めてもらう)
T:This is the Keyword. (キーワード単語を示す)
Let’s practice. Please repeat. ………../…………../……………
(導入単語を順に発話して復唱させる)
(3つくらい言ったあとにキーワード単語を言う)
(そして消しゴムを取る動作をする)
Understand? When I say the keyword, please get an eraser.
Be careful. Do it gently, okay?
(この時、優しく消しゴムを取る動作を見せ、注意を促す。)
ゲーム実施のTIPS
・単語を言っていくテンポが重要。最初はゆっくりと行い、徐々にスピードアップ。
・ペアで行う際は力が入りすぎてケガをすることもあるので前もって注意を促す。
・慣れてきたらキーワードを変えて行うとよい。
・説明するときには学年によって日本語も交えて良いが、上記導入例では特に大文字の箇所をジェスチャー付きで説明を行うと分かりやすい。
・一度に全部説明を聞いてもらうのではなく、途中からは生徒に実際に参加させながらルール理解を促す。
・ペアで机を動かしたりする際には、カウントダウンをしてダラダラさせないようにする
ゲームを行う際の大事なポイント!説明に時間をかけすぎないこと
英語や日本語どちらでゲームの導入を行っても、大切なのは担任やALTが説明しすぎないことです。押さえてほしいポイントは伝えますが、基本はそれだけ。ゲームルールの説明は実際に生徒たちに実演してもらって導入するのが理想です。
しかし最初からはうまくいかないこともあるかと思います。そんな時はどうか気負わないでください。楽しんでください。先生たちもまだ始まったばかりの外国語活動に不安を抱いていると思いますが、生徒たちも同じです。間違ってもいいです。そのためにALTがそばにいます。頼ってください。先生自身が楽しめれば、子供たちも必ず楽しんでくれます。
小学校ではどの学年でもやはり一番は「楽しく学ぶ」、これが一番です。是非活用してみてください。