生徒の英語学習にマンネリ・停滞を感じたら?英会話講師としてすべき事

生徒の英語学習にマンネリ・停滞を感じたら?英会話講師としてすべき事

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英語指導をしていると、「最近、生徒が英語学習にマンネリを感じているな」と思うことがあります。
マンネリ(マンネリズム)とは「手法が型にはまり、独創性や新鮮味がないこと」(小学館『デジタル大辞泉』)。

人間は、同じことの繰り返しには安心感こそ覚えますが、知識欲はダウンしてしまうもの。
生徒の学習に「マンネリ化」が感じられたら、また生徒本人から相談を受けたら、講師はどう対処すればよいでしょうか。
慌ててアドバイスする前に、まずは生徒の話をよく聴き、現状を把握して、問題の本質を突き止めましょう。

「停滞期・スランプ」の原因を考えてみよう

語学学習は継続がカギ。毎日少しずつでも続けることが大切です。
しかし、学習には必ず停滞期が訪れます。

学んだことが成果として出る時期と停滞期は交互に訪れますが、学習成果が感じられなくなると、英語に興味を失ってしまったり、ストレスを感じたりしてそのまま英語学習から遠ざかることになるでしょう。

このスランプの時期を乗り切るにはどうしたらよいでしょうか。

停滞期を乗り切るために、自己分析をしてみよう

本人にとって、スランプはつらいものです。
学習が負担になってきていても、簡単に「英語なんかやめた」とは思えません。

この停滞期を乗り切って、学習を続けるためには、生徒には客観的に自分の状態を振り返ってもらいましょう。
何が学習を阻んでいるのか、主に学習環境・学習内容・学習意欲の3つの側面から考えてみます。

(1)学習環境は適切か

学習する時間、頻度、場所やタイミングを見直しましょう。

例えば、学習をスタートしたころは「昼休憩に勉強しよう」と決めて継続できていたけれど、ここ最近は昼休憩を同僚とのコミュニケーションの時間にしたいと思うようになってきた、など私たちの生活には変化がつきものです。

生徒がこうした変化を感じているようであれば、学習時間や場所を見直しましょう。

忙しければ一日のうちのどこかで10分確保する、単調な作業の合間にラジオ講座を聞く、テキストを開いてじっくり学習するのは休日だけにする、など実現可能なルールを一緒に探してみてはいかがでしょうか。

「忙しいから続けられない」という悩みが「忙しいけれど続けている」という成功体験に変わります。
ポジティブなマインドセットが持てるアドバイスをしましょう。

(2)学習内容は適切か

勉強を始めたものの、テキストに書いてあることを理解するのに時間がかかる場合、そのテキストのレベルは生徒に合っていないのかもしれません。
思い切って、難易度を落としましょう。

この場合、「勉強が進んだらいずれ、この難しいテキストに戻ってくるぞ」という目標が出来ますので、将来を楽しみにしながら学習を進められるというメリットも生まれます。

また、生徒が楽しさを感じられない教材で学習してはいませんか。

例えば、多読は英語力を底上げしてくれますが、「レビューが高い本だから読むべき」「年齢に合った本を読むべき」「これくらい読まないと」という本選びでは、読書がつらい作業になってしまいます。

読書はあくまでも「内容を楽しむこと」が目的で、それは英語の多読であっても同様です。

ジャンルにかかわらず「内容を楽しんで読めている」本が生徒に合ったレベルであることを伝え、楽しくない場合は他の本を選ぶようアドバイスしましょう。

(3)生徒が英語を学ぶ目的は何か

生徒が英語を学ぶ目的は何でしょうか。

旅行・留学・ホームステイなど「やってみたい」目標が生徒の内側から出てくるものである場合、ポジティブな気持ちで達成に向けての努力を続けられるでしょう。

反対に、英検合格やTOEICスコアの取得が目的で、しかもそれ等の目標が学校や会社から押し付けられたものである場合、生徒の外側からやってきたモチベーションですから、努力を続けるのはなかなか難しいものです。

「やる気がわかないなあ」と感じるとき、それは生徒にとって英語学習がどのような意味を持つのか、冷静に考えてみるよい機会です。
場合によっては他の学習や仕事を優先させて、それが落ち着いてから英語学習に取り組む、といったアドバイスも必要です。

学習法をマンネリ化させないための学習アドバイス例

英語学習者は、それぞれの目標に合った教材や学習スタイルを既に持っているでしょう。
それに加えて、マンネリを打破したいときのお勧めの方法を考えてみました。
実際に一緒に体験してもらって、生徒に安心感を持ってもらうとよいでしょう。
不慣れな方法でも「やってみようかな」という気持ちが生まれます。

ラジオ講座を聴く

言わずと知れた、長い歴史があるNHKのラジオ語学講座。

「すきま時間学習」や「ながら学習」でも十分な学習効果が期待できます。
聴いて理解できる番組構成になっているため、テキストがなくても学べます。

基礎から上級まで、日常会話からビジネス・ニュース英語まで、多様なレベル・ニーズに合わせた講座があります。

すべて15分程度で学習できますし、聞き逃し配信(NHKラジオらじる☆らじる)がありますので、一日のスケジュールに合わせて聴取できます。

https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html

私もルーティンとして、朝の家事をやりながら「まいにち中国語」「ラジオ英会話」「ニュースで学ぶ『現代英語』」を聴いています。

珍しい国の人と話す

オンラインスクールに登録している生徒であれば、普段どのような講師のレッスンを受けているか聞いてみます。

例えば日本人・フィリピン人講師やネイティブスピーカーの講師ばかりと話している場合、ちょっと冒険を。
スクールによってはアフリカやヨーロッパの小国など、日本人になじみがない国に在住の先生もいます!
ぜひ、そんな講師と英語で話すようアドバイスしましょう。

珍しい国の人と話すことは発見の宝庫です。中には英語が流暢ではない講師もいますが、コミュニケーションスキルを磨くチャンスですし、さらに自分の英語をブラッシュアップしたいという気持ちが高まります。

ちなみに私は、レソト王国の先生と出会っておしゃべりしたことがあります。
どこにあるの?どんな暮らし?聞いてみたいことがいっぱいで、あっという間にレッスン時間は過ぎてしまいますが、お勧めの音楽をシェアするなど豊かな時間になりました。英語を話せてよかったなあと思った出来事です。

Chat GPTに例文を作ってもらう

生成AIのひとつで話題のChatGPTをレッスン準備等に取り入れている先生が増えています。
英語が得意なChatGPTを使って出来る英語学習を生徒にも体験してもらいましょう。

新出単語の使い方がわからないときはたくさんの例文に当たって感覚をつかむのが一番です。
ただ、辞書に掲載されている例文の数には限りがあります。
そんなときChatGPTが頼れる勉強相手になってくれます。

効果的なプロンプト(ChatGPTに応答してもらうための質問や命令の文)についてはウェブ上で公開されているものも参考に、生徒のレベルに合ったプロンプトを提示するとよいでしょう。

以下は私が実際に使用した例です。

“on the run”というフレーズの使い方を知りたかったので以下のようにリクエストしました。

私:on the runというフレーズを含む英文を3つ挙げて下さい。

ChatGPT:
Fleeing from the crime scene, the suspect was on the run, desperately trying to evade the pursuing police officers.(以下略)

日本語訳も欲しいところですので以下のようにリクエストしました。

私:上記を和訳してください。

ChatGPT:
犯行現場から逃れようとしていた容疑者は、必死になって追いかけてくる警察官たちを避けようと逃走中でした。(以下略)

また、例文を読んでいる途中で別の動詞に関心が移ることがあります。
例えば”grab”はこういう使い方よくするのかな?と感じたら以下のように質問します。

私:以下の英文に登場するようなgrabの使い方は典型的なgrabの使い方ですか。With a busy schedule, I often find myself eating breakfast on the run, grabbing a quick snack as I head out the door.

ChatGPT:はい、この文中での “grabbing” の使用は一般的であり、典型的な表現です。この文では、「grabbing a quick snack」は急いでいる状況で素早く軽食を手に入れる、取るという意味で使用されています。忙しいスケジュールの中で、朝食を急いで取りながら、出かけるという状況を表現しています。

まるで会話しながら知識を深めているかのような楽しさがあります。
chat gpt

最後に

これは私自身の実感でもありますが、語学学習で一定の目標を達成するためには、長く地道な努力が必要です。

「マンネリ化を感じている」のはそんな努力を継続できている証ですから、実は素晴らしいこと。
ぜひ生徒の努力を認めて「あなたはこんなに頑張ってきた」ということを伝えてほしいと思います。
そして生徒が次の学習フェーズを迎えていることを意識して学習方針の修正を行いましょう。

生徒が少し疲れを感じているなら、思い切ってお休みを提案するのもひとつですが、出来れば一定期間後に再びコンタクトを取って状況を確認し、学習再開のきっかけを作ることを忘れずに。
学習者が英語学習を継続できるよう願っています。

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